『若々しくもサカった15の性』
仁王雅治は15歳の雄だった。
好きな子がいれば、手を繋ぎたいしキスもしたいしセックスもしたい。
最近は、付き合いだしたばかりの柳生比呂士のことばかり考えている。
毎日毎日、柳生を思ってはオナニーをしていた。
本当はすぐにでもヤりたかった。
けれど、柳生という少年は晩生で、性的な話題になると逃げてしまうような性格だ。
そんな相手を前にして、どうやって手が出せるというのだろう。
仁王は抑えきれない性欲を持て余す日々が続いていた。
そんな仁王の唯一の楽しみは、部活後二人で一緒に下校することだ。
今日も一緒に駅までの道のりを歩く。
すると、柳生が参考書を買いたいと言ったので本屋に寄ることにした。
買い物も終わり、駅に向かおうとすると
「こちらのほうが近道なんですよ」
と、柳生がいつもと違う方向へと歩き出した。
柳生が指差した先は、緑に包まれた広い公園だった。
真ん中には噴水があって、市民の憩いの場といった感じだ。
「フーン、こんなとこに公園なんてあったんじゃのう」
「はい。あまり通ったことはないのですが、今日は時間も時間ですし近道して行きましょう」
柳生の言う通り、平日で部活後ということもあり時間はかなり遅い。
辺りはすっかり夜の闇に包まれていて、公園の外灯が薄汚れた光を放っていた。
このまま公園を抜けたら、もうすぐ駅だ。
そうなったら、今日はもうお別れだ。仁王はもっと柳生と一緒にいたかった。
「な、ちっと休んでいかんか?」
空いているベンチを指差して言うと、柳生は驚いてそしてすぐに微笑んだ。
「はい。いいですよ」
二人でベンチに腰を下ろして、暫く他愛ない話をした。
どのくらい時間が経ったのか。
ふと周囲に目をやると辺りにはしっかりと寄り添いあう何組かのカップル達で溢れていた。
抱き合うどころか、ねちっこいキスまでしているカップルもいる。
(羨ましいのう)
内心素直な感想を思い浮かべながら、隣をチラリと見る。
柳生も周囲の状況に気付いたようで恥ずかしそうに視線が定まらない様子だ。
「……みんなえっらい大胆じゃの」
と、言うと
「そ、そうですね」
と、恥ずかしいのか俯いてしまった。
その純粋な反応が可愛らしい。
仁王はむずむずと、もよおしてきた。今すぐ抱きしめてしまいたかった。
そっと後ろから腕を回して、そして肩を抱き寄せた。
「…!」
柳生は驚いたように、ビクリと身体を震わせたが抵抗はしなかった。
「寒いの」
と、言うと
「はい」
と、か細い声が返ってくる。
更に仁王は思い切って、柳生の掌を握った。
「あっ…」
「冷たか」
柳生の指先を冬の空気のせいかひんやりとしていた。掌でしっかりと包み込んでやる。
「ぬくいじゃろ?」
「はい。ありがとうございます」
柳生は嬉しそうに笑った。
接近したせいで柳生の顔がいつもより近い。
それに気付くと、ドキッと胸が跳ねた。
お互い見つめあいながら、互いの白い吐息が頬にあたる。
「仁王君?」
目の前の唇が可愛く動く。
一瞬、中の濡れた舌が見えた。
途端に、仁王の興奮が高ぶる。
心臓はバクバクと鳴り、下肢に熱が集まり始めた。
まるで赤い唇に吸い寄せられるように、仁王はそっと顔を近付けた。
柳生もそっと瞼を閉じる。
二人の唇が重なろうとしたそのとき――
『ああっ、あああン』
と、女の喘ぎ声が聞こえた。
ギョッとして、閉じられた柳生の瞼がパッと開く。
「な…んですか?」
辺りをキョロキョロと見回すと、二人が座っているベンチの裏の茂みがガサガサ揺れている。
そして茂みの向こう側から『声がでけえよ』だの『もっと抑えろ』だのと、注意する男の声がする。
その声は経験の無い二人が聞いても、明らかに濡れ場であるとわかった。
(まさか)、と思って仁王が再び周囲に視線を巡らせると、
抱き合うどころかベンチでどうどうと行為に及んでいるカップルもいる。
そう此処はハッテン場だったのだ!
二人はそんなことも知らず迷い込んだ子羊だった。
「…俺たちもしかせんでも、ヤバイとこに来てしもーたんかの」
困ったように仁王が呟くと、柳生は真っ赤になって震えていた。
自分がとんでもないところに誘ってしまったことに羞恥を感じていた。
「あの、すみません…。こんな処だなんて知らなくて…」
「そんな気にするほどのことじゃなかね」
柳生を慰めながらも、せっかくのいい雰囲気をぶち壊されて茂みの向こう側にいるカップルをぶち殺したい気分だった。
それに行きずりとは言え、女の喘ぎを聞いてしまうと嫌でも身体が反応する。
仁王はムラムラを煽られて、息が上がった。
(俺も柳生とあんなことしたか)
股間はしっかりと勃起して、その先っぽからは我慢汁が出てきていた。
柳生の肩を握り締め、押し倒したい葛藤と戦う。
今こんなところで迫ってしまったら、間違いなく柳生は逃げるだろう。
急に強くなった仁王の手に柳生は首を傾げた。
「あの…、仁王君?」
きょとんとしたあどけない眼差しに、仁王の理性がぐらつく。
そのまま勢い余って、柳生をギュッと抱きしめた。
「に、仁王君っ」
動揺した声だ。周囲と同じような行為をしていることに、戸惑っているのかもしれない。
仁王は一度身体を離すと、唇に自分のそれを押し付けた。
むにゅっとした柔らかい唇に胸がドキドキする。
柳生は驚いて、身じろいだ。
けれど仁王がしっかりと身体を抱きしめているので、それを許さない。
好きなだけ唇を味わって、それで終われるはずがなかった。
もっとしたい。もっと触りたい。抱いてしまいたい。
仁王はハアハアと荒い息で、柳生を別の茂みに誘った。
柳生は蕩けた顔付きで誘いに乗ってきた。OKが出たのだ。
怒張がドクンと悦びで脈打った。
茂みの中で柳生を押し倒して、もう一度抱きしめた。
擦れあった下肢が、互いの高ぶった熱を感じ取ることができる。
柳生も勃起していた。そして、ハアハアと息遣いが興奮したものに変わっている。
仁王は性急に制服のボタンを外すと、柳生の股間を取り出した。
剥け切っていないピンク色のペニスが恥ずかしそうに震えている。
膝を割って、ペニスを熱い舌で舐めてやる。先端を舌先でツンツンしてやると
「ひあっ、あっ、いやっ」
甘い声と一緒に、ペニスはピクピク震えて、すぐにイってしまった。
「ああっ…」
柳生は全身真っ赤になって、両手で股間を隠した。
今更な行為に、仁王はこっそり笑った。
さあ、今度は自分の番だ。
柳生が出した精液を使って、奥にずぶっと指を突っ込む。これが失敗だった。
「いたっ!」
それまで蕩けきっていた柳生の意識が、痛みで我に返ってしまったのだ。
イって冷静になった柳生は、自分が外でセックスを始めてしまった状況に気付くと抵抗し始めた。
「仁王君…、いやっ」
「何でじゃ」
すっかり臨戦態勢に入った怒張を取り出したところで暴れだした柳生に、仁王は舌打ちをした。
「人がいます…ッ、」
先程のカップル以外にも近くでおっぱじめた奴らがいたらしい。別の方向から喘ぎ声が聞こえてきた。
こんな状況で他人のことなんて気にしている人間はいないだろう。
「みんな自分たちのことでいっぱいいっぱいじゃ。気にせんでよか」
「でも、でも…外でこんなこと」
両膝を抱えられて、今にも挿入されそうな状況で、柳生は半泣きで訴えてきた。
「ムリじゃ、やめれん」
「いやっ、駄目っ」
どんなに泣かれても仁王はもう止まれなかった。
カチカチになったペニスを無理やり小さなアナルに突っ込む。
「ひぃっ!」
切り裂かれるような感覚に、柳生が喘いだ。
「ひっ、あっ、あっ」
両足をビクビクさせて、激痛に悶えている。
「すげェ、熱ィ…ッ」
柳生のあそこは狭かった。そのせいで先端しか入らない。
けれど童貞の仁王にはそれだけで充分だった。
一番敏感な先端を、キツイ収縮筋でもって締め付けられると脳髄にまで快感が走る。
グイグイと押し込む間もなく、
「出るッ」
と、びゅるるっとザーメンが柳生のあそこを的にして飛び散った。
「アー……」
絶頂の快感に天を仰いで喘いだ。
腰から下が堪らなく気持ちいい。
挿入時間で言えばほんの十秒ほどしかないはずなのに、仁王も柳生も全身は汗びっしょりだった。
仁王は身体を繋げられた満足感に、舌なめずりする。
「ひどい…、ひどいです…」
柳生は恥ずかしげもなく外で淫らな行為に及んでしまった自分に、こっそり唇を噛んで泣いていた。
終劇