(真田と比呂士は新婚夫婦です。
仁王は真田の実弟です。
そんな三人の家族模様パラレルです。
女体化ではありません)
『貞淑な義姉の夜の顔』
「結婚?」
とある晴れた秋の日、兄・真田弦一郎にそう打ち明けられた。
「うむ。柳生比呂士と言ってな、しとやかで慎ましい男だ」
「フーン。まあ、おめっとさん」
わざわざ日曜日に呼び出すからいったい何かと思えば。
両親の離婚後、離れて暮らす兄からの結婚の報告に仁王は興味なさげに祝いの言葉を口にした。
「式はまだ少し先なんだがな、先に籍だけ入れて来月には一緒に暮らす予定でな」
「ヘー」
「そこでだ…、おまえも一緒に暮らさないかと思ってな」
「はァ!!??」
「もう母さんの了解は得てある。まだ16だというのに一人暮らしをするのはいいことではないしな」
「ちょ、ちょっと待てよ!」
「何だ?」
「俺はイヤじゃ!」
「もう子供ではないのだぞ。そんな我儘を言うものではない」
「子供扱いしとんのはどっちじゃ」
「何が気に入らない。新しい家族が増えるんだぞ?やっとおまえと暮らせるというのに」
悠々自適の一人暮らしから新婚の家庭に入りたいと思うほど、仁王も馬鹿ではなかった。
「とにかく、一人暮らしは認めん。弟は兄に従うもんだ。わかったな」
真田という男は、とことん長男育ちだった。
両親が離婚したのは、二人がまだ小学生の頃。
旧家だった真田家のしきたりに母親が耐え切れなくなり、別れて暮らすことになった。
兄の弦一郎は長男ということもあり父親が手放さず、仁王は母親と共に彼女の実家である九州へと引っ越した。
その後、実父の勧めも有り高校進学とともに上京したのだが、子供とはいえ仁王は一度真田家を出た人間である。
その敷居を跨ぐことは一族が許さなかった。
父親の援助を受け一人暮らしをすることになったのだが、幼い頃に離れ離れになったおかげで兄は何かと仁王を構おうとするのだ。
「ウザいんじゃ」
「ん?何か言ったか」
「別にー」
仁王もいつまでも子供ではない。
“お兄ちゃん、お兄ちゃん”と真田の背中を追いかけていたのは遠い昔の話で、今は遊びたい盛りの高校生だ。
真田はそれを理解していなかった。
いまだに離れるときに大泣きをした可愛い弟だと思っているに違いない。
仁王はうんざりしながらも、渋々兄に従うこととなった。
そしてこれが悲劇の始まりだった――
それから一ヶ月後、新居のマンションでぎこちない同居が始まった。
家族とは言え、真田も仁王も共に暮らすのは10年ぶりである。
当然、衝突も起こる。
同居して二日目の朝、早速真田の怒号が飛んだ。
「朝、パジャマでリヴィングに出てくるものではない!」
「うっせェ!なんで家でまでいちいちちゃんとしとらんといかんのじゃ」
「兄に向ってその口の聞き方は何だっ」
理不尽にも鉄拳を食らう。
「痛ェっ!ひでー、兄ちゃんが殴ったー」
泣きまねをして兄の理不尽さを訴えた。
「これしきのことで泣く奴があるか!」
「まあまあ、真田君。ここは家なのですから、自由な服装でもいいではありませんか?」
初っ端から喧嘩を始めてしまった兄弟に、兄嫁の柳生が何とか仲裁に入ろうとする。
「柳生、おまえまでそんなことを言ってどうする。真田の家に入った自覚が足りんのではないか」
「そ、そんな…。申し訳有りません」
とばっちりを喰らって注意された柳生は、しゅんとなってしまった。
「結婚しとるのに“柳生”と“真田君”やって。初々しいのー」
朝飯に手を付けながら、仕返しとばかりに新婚夫婦をからかってやる。
途端に二人の顔は真っ赤になった。
「大人をからかうもんじゃない!」
こんな風に多少の衝突はあるにせよ、新しい家族の生活は順風満帆にスタートを切ったかに見えた。
そう、夜がくるまでは……
夕食も食べ終え風呂から上がると、仁王は宛がわれた自室に引っ込んだ。
昨晩は引越しでみんなバタバタしていたおかげであまりゆっくりも出来なかったが、あらかた荷物も片付けた今日は充分眠れそうだ。
髪の水分をタオルで拭き取りながら真田に買ってもらったテレビを見ていると、明るいテレビの音に混じって奇妙な声が聞こえてきた。
「ん…?」
しかも、背後の壁から聞こえてくるのである。
最初は気のせいかと思って無視していたが、やはり声は止むことはない。
不審に思ってテレビの電源を落としてみると――…
『あっあっ…真田君…』
『いいぞ…柳生…うっ』
(!!!これ…ってまさか…!)
度肝を抜いたのは無理もない。
それは新婚の兄夫婦の愛し合う声だった。
生意気なくそガキとはいえ仁王は田舎から出てきた高校生で、まだAVでしか女の喘ぎを聞いたことなかった。
そんな少年に、若い夫婦の営みなど興奮剤以外の何物でもない。
『あぁっ…あっあっ…』
『真田君…あっ』
『…きもちいい……』
目に見えなくてもあの大人しそうな兄嫁が乱れる姿が脳裏に浮かぶ。
淫らな甘い声に、若い仁王はすっかり勃起していた。
パジャマの下の股間はテントを張り、外に出たいと疼き始める。
心臓がバクバクと激しい音を立てて高鳴った。
兄夫婦のセックスなど聞いてはいけない声である。
けれど右手が勝手に動いてしまう。
下着ごとパジャマを剥くと、ビンッとそそり勃った怒張を握り締めた。
自分の掌なのに、まるで義姉の…柳生の中に入っているような錯覚に襲われた。
(スゴかァ…気持ちよか…)
今まででこれほど感じた自慰はなかっただろう。
壁の向こうから聞こえてくる濡れた嬌声を聞きながら、仁王は自分のムスコを扱き上げる。
ムスコはすぐにピクピクと痙攣すると即効で射精した。
仁王がすぐさま達したのとは裏腹に、兄夫婦の営みは激しさを増していた。
『あーっ、ひィっ、痛っ』
『もっと…もっと、ゆっくり…あああっ』
柳生の声には次第に泣きが入ってくる。
ベッドの中でも亭主関白な真田の性格が手に取るように分かった。
そんな痛がる声にさえ、今の仁王はムラムラする。
(ダメじゃ…治まらん!)
射精したばかりだというのに、またズクズクと熱を持ち復活してしまった。
元気なムスコをもう一度握り締めると、またオナニーを始める。
眼を閉じると柳生を抱いているのはまるで自分のような気さえしてくる。
柳生を抱き締め、服を脱がし、ベッドに寝かせてその身体を隙間なく愛撫する。
そして広げた股の間から、いきり立った怒張をハメ何度も何度も突き上げて啼かせる。
もはやそれら全ての行為が、兄ではなく自分自身に摩り替わってしまっていた。
『あっあっ…真田君…ああああっ――!』
そこに貞淑な妻という柳生の姿はない。
激しい雄の攻撃にひたすら悶える淫乱な雌だった。
「出るっ…ヒロシッ」
兄嫁の名を口にしながら、仁王は二度目の絶頂に果てたのだった。
朝になった。
昨日真田に言われたとおりちゃんと制服に着替えて食卓に向うと、スーツ姿の真田と清楚な白いエプロンをつけた柳生がいた。
「おはようございます。仁王君」
「おはよう。今日はちゃんとしてきたな。えらいぞ」
まるで昨晩の激しい情交など嘘のように、二人は健全な夫婦の顔をしていた。
(この二人がホントにあんなことしとるんか。信じられん)
清純そうな柳生の裏の顔に、仁王は嫌悪感を覚える。
自分が兄嫁の声でオナニーをしてしまったことにすら、酷い罪悪感を持っていた。
それは思春期特有の潔癖さからくるものだった。
そして眠れない日が続いた。
毎晩兄夫婦の交わりがあるからだ。
新婚だから仕方ないのかもしれないが、まだ16の仁王にとっては睡眠妨害もいいところである。
二人の情事の声を聞きながらオナニーをする。
それが同居を始めてからの仁王の日課になっていた。
一ヶ月が過ぎた。
「出張…ですか?」
帰宅するなりジャケットを脱ぎながら、真田は出張が決まったことを柳生に告げた。
「ああ、一ヶ月ほど大阪の支店にな」
「そうですか…」
脱いだジャケットを受け取りながら、柳生は淋しそうな顔を隠さない。
「忙しくてあまり一緒にいてやれないが…、すまない」
「そんな…、お仕事なら仕方ありません」
「柳生…」
「真田君…」
「あーあーあー、俺、ココにおるんじゃけどのう?」
帰ってくるなり場所もわきまえず新婚ラブラブモードを撒き散らす兄夫婦に、仁王は呆れ返って大声でその存在を主張した。
「雅治、いるならいると言わないかっ」
真田は照れた様子で怒鳴った。
「ンんこと言うたち、勝手に始めたんはそっちじゃろ」
言い返してやると、真田はグッと黙り込んだ。
仁王に非が無いことは明白だからだ。
「…とにかく、来週から俺はおらん。義姉さんに迷惑をかけるんじゃないぞ」
「へーへー」
生返事をしながら、これで毎晩の拷問から解放されるかと思うと内心ホッとしていた。
小うるさい兄がいなくなれば、やんちゃな仁王はやりたい放題だ。
毎晩のように遊び歩き、家には寄り付かなくなった。
柳生に顔を合わせれば、いったいどこにいるのかと問い詰められるものの
「ドコでもえーじゃろ」
と、相手にしなかった。
元来大人しい義姉である。
一喝してやると、何も口を挟まなくなってしまった。
家にも帰らず何をしているのかというと、二人のせいで散々堪っていた性欲をとにかく手ごろな女で発散させていた。
毎晩毎晩激しい二人のセックスにどうしようもなく興奮してしまっていた。
その欲情をとにかく吐き出してすっきりさせたかったのだ。
しかし、どれほど女を抱いても全くすっきりしない。
(おかしか)
燻ったように熱い情念が胸の中に残ってしまっている。
それがどうしてなのか…仁王にはもうわかってしまっていた。
他の誰でもない。
その熱を消せるのは義姉の柳生だけ。
(ヒロシとヤりたか…!)
気付いてしまった炎は一気に燃え上がる。
今なら兄もいない。
ヤるには最大のチャンスだ。
仁王は二週間ぶりに家に戻ることにした。
家に戻ると柳生の出迎えがなかった。
不思議に思って玄関に上がると、シャワーの音が聞こえてくる。
帰ったことを知らせようと風呂場に向う。
そこで、仁王の脚はピタリと止まった。
帰ってこない仁王に油断したのか、それともただのおっちょこちょいなのか。
柳生は脱衣所の扉を開けっ放しにしていたのだ。
シャワーを浴びる成熟した新妻の裸体が、すりガラス丸見えなのである。
(すげェ)
仁王は声をかけるのも忘れて、その身体に見入ってしまった。
そして当然、股間はムクムクと膨れ上がる。
(また…勃ってしもーたぜよ)
ハアハア…と熱くなる呼吸を吐き出しながら、その場で股間を弄った。
そして熱が達するのも早い。
ガラス越しとはいえ初めて眼にする柳生の裸体に、すぐさま絶頂を迎えた。
「ううっ…」
その場にへたり込んでビクッビクッと身体を痙攣させた。
そんな義弟の行動に全く気付かない柳生に、仁王は獰猛な雄の性欲が目覚めるのを感じていた……
どうしてくれようか。
風呂から上がったところを押さえ込んでしまうのもいい。
それとも寝静まったところ縛って犯してしまおうか。
リヴィングのソファで考え込む。
もはや仁王を止められるものはこの世にいなかった。
「……仁王君?」
すっかり考え込んでしまっていたせいか、柳生が風呂から上がったことに気付かないでいた。
「おかえりなさい」
久しぶりに逢う義弟の姿に柳生は嬉しそうだ。
「お夕飯はもう済ませましたか?」
「……まだじゃ」
「ではすぐに作りますね。待っていてください」
柳生は風呂上りのパジャマ姿のままいそいそとキッチンに立った。
ほかほか状態のその姿はとても美味しそうだ。
仁王の理性がプチンッと切れた。
「仁王君外泊ばかりでちゃんとご飯を食べていますか?何だかとても心配で……」
忍び足で背後に近づくとギュッと細い身体を抱き締める。
「に、仁王君…!?」
腕の中の身体が硬直するのがわかった。
けれどそんなこともうどうでもいい。
もう準備万端な股間をグイグイ細い尻い押し付ける。
「な…何を…やめてください…」
明らかに声が震えていた。
いくら清純そうな妻であってもアッチのほうは毎日営んでいる柳生だ。
自分のお尻に押し付けられた硬いモノが何なのか、何をしたいのか……言わなくてもわかるのだろう。
「いやっ!離してくださいっ!」
暴れる身体を押さえつけて床に押し倒し、動けないように圧し掛かった。
「冗談ですよね…こんなこと、本当にやめてください…」
泣きそうなほど怯えている。
けれどもう止まれない。
「冗談じゃなか。毎晩毎晩あんな声聞かせやがって…もう限界なんじゃ!」
叫ぶとパジャマをビリビリと引き裂いた。
抵抗を押さえつけながら下着を剥き、手近のサラダ油を後ろに塗りつける。
「いやっ、助けて!真田君っ」
助けを呼んでも来るはずもない。
真田は遠く離れた大阪にいるのだ。
「ムダじゃ。…大人しくせェや!」
頬を思い切り張ってやると、柳生は大人しくなった。
「挿れるぜよ」
ガチガチになった怒張を取り出す。
凶器のような太いソレに、組み敷いた柳生が青褪めた。
夫のモノより数倍も大きいのである。
柳生は真田としか経験がなかった。
そして真田はその体躯のわりに股間のモノはお粗末だった。
だから処女でも柳生は初夜から感じることが出来たのだ。
もちろん、そんなことは仁王の知ることではない。
同じ兄弟でも仁王のペニスは長くそして太くとても立派なのだ。
そして、それをヌププププと柳生のアナルに挿入した。
「いやーーーーーっ!!」
痛みに泣き喚く柳生を無視して、仁王はパンパンと腰を使った。
「駄目っ、やめてぇっ」
必死に嫌がりながらも身体が裏切っていくのを止められないでいた。
初めての快感だった。
真田と違って長い仁王の怒張の先っぽが中のイイところにあたった瞬間、味わったことのない激しい愉悦が全身を駆け巡る。
「あああっ…!!」
太いモノで突き上げられる感覚は凄まじかった。
触られてもいない柳生の性器はヌラヌラと光って勃ち上がり、感じていることを仁王に教えてしまう。
「へっ…アンタも気持ちエエんじゃろっ」
「あっあっンあっ」
蠕動する内壁はやがて柔らかくほぐれきり、蕩けるような熱さで仁王を締め付ける。
「あっああっ……」
真田が出張に行ってから二週間……まだ若い柳生の身体もまた飢えていたのに加えて、男に犯される悦びを知ってしまった。
全てを搾り取るかのように食らいつく粘膜に、仁王は限界を迎えた。
「いかん!出すぜよっ」
言うと同時腰を思いっきり打ち付ける。
「だめぇっ、いやああっ!」
中にビシュッビシュッと出てしまった。
まるでところてんのように呼応して柳生の性器からも精液がどぴゅんと溢れ出る。
「はあ…はあ…」
義姉陵辱の快感に仁王は呆然と柳生の上に倒れこむ。
まるで股間から柳生と一つになっているようで、例えようの無いほど気持ち良かった。
この1ヶ月間溜めに溜めていた性欲の全てを余すことなく注ぎ込んで、爽快なほどにすっきりとしたのだった。
終劇