お勉強会 イライライラ。 ムラムラムラ。 柳生と付き合い出してからこんな感情ばかりで、仁王は辟易していた。 その原因と言うのは…、 「嫌です」 「何でじゃ。エエやろ」 「嫌なものは嫌です」 「付き合うとったら、ヤるんは当然じゃろ!」 付き合って早2週間。 チューは最初の1週間でクリアした。 次のステップに進もうとする仁王と、断固拒否の柳生。 平行線のまま更に1週間が経とうとしていた。 毎日顔を合わせていて、毎日身近のいるのに。これじゃヘビの生殺しである。 (なんとかせんとのう…) とは言うものの、何をどうしていいやら。 仁王は脳みそをフル回転して考えた。 (そうか) 「何も了承を得るコトないんじゃ。ちゃっちゃと既成事実を作ればえーんじゃ!」 テストの近い、とある夏の日曜日。時間は午後1時過ぎ。練習は午前中のみで。 テスト勉強を一緒にしようと、柳生を自宅に誘った。 両親も姉弟もみんな外出中。家には自分だけ。 「完璧じゃ」 「…何が完璧なのですか?」 「ンー?何でもなか。まま、とりあえず入りんしゃい」 と柳生を自室へ勧める。 部屋の中央には四角いコタツテーブル。その上に置かれた教科書類に、 「勉強、というのは本気だったのですね。あなたのことですから、少々疑っていました」 と、失礼極まりない一言。 「疑うち…、何やと思うたと?」 「勉強なんてのは口実で、本当は何か別のことをたくらんでいらっしゃるのかと」 と、眼鏡のブリッジを押し上げる。 「まさか。俺がそんなコトするわけなかとよ」 「……そうですか」 返事はするものの、その視線は明らかに疑っていた。 (勘のエエやつじゃ。危なか…) 思わず吹き出る冷や汗を袖で拭う。 テーブルに二人で向き合って座った。勉強を始めると、柳生は集中する。 最初は真面目に勉強に向かうが、次第に飽きてきた。 シャープペンシルを口に咥えて、プラプラさせる。 退屈さ加減を行動で目の前の人物に訴えても、 気づいているのかいないのか。まったく無視された。 「…なァ」 限界がきて、声をかけてみる。 けれど、柳生からの返事は無い。 「なァって!」 語気を荒げても、やはり何の言葉も返っては来ない。 (ムシかよ。…コレじゃマジでお勉強会じゃ。アホらしい) 声が駄目なら身体でとばかりに、組んだ足をとくとテーブルの下から柳生の足を小突いた。 ノートを走る柳生の指先がピクリと止まる。 お、反応しよった。 これに気を良くして、つま先で膝頭を擽る。 柳生の握ったペン先が小刻みに震えだした。 (膝は結構弱いんじゃの) けれど震えるだけで何とか持ちこたえている。 つま先を膝頭から太腿に移して、正座している間に割り込んだ。 柳生は慌てて膝を閉じるがもう遅い。 ニヤリと、頬が緩む。 挟まれた足をぐっぐっと押し込み、股間を足の裏で潰す。 布越しからの刺激でも一応感じるのか、押し潰す下身が俄かに膨らみ始めた。 柳生は何とか平静さを保とうと教科書に視線を落とす。 けれど下肢への刺激に文字が頭に入らない。 無遠慮な愛撫に股間の膨らみは完全に勃ち上がっていた。 それは足の裏からでも、仁王にしっかりと認識させていた。 布に圧迫されながらもしっかりと勃起している。 先端を布越しにぐりぐりと押してみた。 「――っ!」 柳生は声にならない悲鳴を上げて、机に倒れ込んだ。 指先からコロコロと握られていたペンが転がる。 その隙をついて仁王は立ち上がると、向かい側に移動して柳生の肩を掴んで床に押し倒した。 素早くズボンを下着ごと脱がす。 そのスピードに柳生は一瞬抵抗が遅れた。 「なっ…何をするんですか!」 「何、ってナニじゃ」 晒された下半身に、刺激で勃ち上がったもの震えている。 「やめたまえ!」 と足をバタつかせているが、馬乗りで押さえ込む。 仁王は無言で勃起した下身を掴むと、シュッシュッと扱いた。 「え、あっ、あっ、アっ、…ヤっ!」 声が上がったかと思うと、 ピンク色の先端からピュッと白い精液が噴出して、仁王の顔面に飛び散った。 頬をどろりとした汚れがつたう。 「…え」 あまりの早さに呆然となって、柳生を見下ろす。 両腕で顔を隠し、視線から逃げていた。 「…みこすり半?」 と、思わず口にした瞬間―― バチン! 頬に平手打ちをくらった。 「ってェ…」 打たれた頬を押さえて蹲る。 「…最低です!見損ないました…!」 言い捨てると柳生は半泣きで出て行った。 それから、1週間。柳生は口を聞いてくれなかったとか。 end. |
>>BACK