(貞淑な義姉の夜の顔義理の弟に犯されて…)の続編です。
 真田と比呂士は新婚夫婦です。
 仁王は真田の実弟です。
 そんな三人の家族模様パラレルです。
 女体化ではありません)








 『裏切られた夫・妻と弟の淫らな関係』








 真田弦一郎二十八歳。
 数百年前から続く旧家で生まれ、有名国立大卒業・有名企業へ就職。
 二十七歳で柳生比呂士と結婚し、可愛い妻とやんちゃな弟に囲まれて暮らす平凡で幸せな日々。

 このまま順風満帆に人生を歩むものと思っていた。
 そうこのときまでは――…



 襖の向こうに見える光景を信じることができなかった。
 「あっあっ、駄目っ」
 「…くっ、うっ、ヒロシ…!」
 「ンあっ!」
 艶かしい喘ぎ声は確かに妻・比呂士のものだった。
 そしてそれを犯しているのも確かに、弟の仁王雅治。
 妻と弟が、半裸になって抱き合い、いやらしくもまぐわっている。

 (これはどういうことだ?)
 真田はわなわなと震え、頭を抱えた。

 秋になり連休が取れたからと、妻と弟を連れて温泉旅行に来ていた。
 三人で温泉につかり楽しく穏やかな時間を過ごしていた。
 運転していた真田は疲労していたこともあり、湯に入ると眠気に襲われそのまま就寝した。
 そして、何気なく目を覚ました。
 すると、隣に敷いていた布団は二つとも空っぽだ。
 枕元に置いていた腕時計で時間を確認するともう日付も変わっている頃で、
 (こんな時間まで起きているのか)
 と、注意しようと襖を開けようとしたそのとき

 「ンっ、あっ、ひゃあっ」

 と、濡れた声が聞こえてきたのだ。

 真田は瞬間襖を引く手を止めた。
 そして襖に聞き耳を立てる。
 その向こうから聞こえてくるものは、まるで耳を疑うようなものだった。
 パンパンと肌を打ち合う音と、ヌチュグチュと粘膜が擦れ合う音。
 それは、セックスの音だ。
 (いったい誰が?)
 (どうしてこんなところで?)
 浮かんだ疑問もすぐに解決した。
 「…ヒロシ、…いつも、より…感じとるの、」
 「ンっ、ンっ…あっン…あっ」
 それは弟の声と、聞きなれた妻の嬌声だった。

 真田は目の前が真っ暗になった。
 (何故二人が…?)
 信じられない。
 二人は真田の目を盗んで、今セックスをしている。
 そう思い至った瞬間、仁王に対して激しい怒りが込み上げた。
 妻を襲っているのだと純粋にそう思った。
 早く止めに入らなければ、止めて比呂士を守ってやらなければ。
 襖にかけた手を引こうとした瞬間、
 「あっン、ああっ、イイ…っ」
 3cmほど襖を開けたとき、信じられない声が聞こえたきた。
 比呂士は嫌がってなどいない。
 犯されたわけでもない。
 悦んでいるのだ。
 (まさか、そんな筈はない)
 僅かに開いた隙間からそっと覗き見ると、そこには乱れた浴衣を着たまま四つん這いになって犯される妻と、それを膝立ちになって背後から犯す弟がいた。

 (―――!)

 恐らく己しか見たことのなかったはずの白い尻は恥ずかしげもなく剥き出しになり、そこに出入りしている仁王の怒張は自分とは比べ物にならないほど太い。
 (でかい…)
 それはもう凶器だ。
 あんなものを突き入れられて平気で入られる筈ない。
 仁王の赤黒い怒張は遠慮もなく、比呂士をズブリと貫き有ろうことか何度も何度も突き上げている。
 「…中、いつもより…きついぜよ?ほれ!」
 「ひぐっ!ああっ、あっ…おおき…っ」
 「…フン、…あんまり声出しよったら、…バレるって…」
 「…ンっ、あ、ンっ…ンっ」
 比呂士は惜しげもなく身体を開き、淫らに乱れた浴衣からチラチラと見える熟れた乳首を晒しながら、後ろから腰を揺らされている。
 太いペニスに犯されて痛がるどころか、快楽に歪んだ表情を見たことがないほど卑猥で鮮烈で、まるで動物のように腰を突き上げられ悶えひいひい啼いている。
 こんな姿は見たことが無かった。
 真田が抱くとき、いつも大人しく控えめに喘いでいた。
 それは比呂士の恥じらいだと思っていた。
 だが、勝手な勘違いだったと思い知らされる。
 今襖の向こうで弟にに犯される妻は、貞淑なそれではない。
 太いものに貫かれて悦ぶただの淫乱だ。
 己との夫婦の営みは、恥らっているのではなく矮小の性器に感じることが出来なかっただけ。
 真田は言いようの無い羞恥を感じた。
 今まで恥ずかしげもなく稚拙な方法で妻を抱いて満足し、比呂士もまた満足していると思っていた。
 その全てが根底から覆されたのだ。
 「もう…もう、ひィっ」
 「…俺も、もう出…ううっ!」
 仁王は呻き声を上げると、一際大きく腰を付いて奥をグリグリと押し付けるように小刻みに揺らしてビクビクっと身体を撓らせた。
 と、同時に比呂士がまるで獣のように
 「や、イクっ、ひああああっ!」
 と叫んで、白い布団の上にビュビュッと精液を撒き散らした。
 後ろを突かれてイったのがわかった。
 それも二人同時に。
 そして、その光景に真田の股間は本人の意思を裏切ってしっとりと濡れていた。
 縺れ合う二人の行為を前に知らぬ間に達していたのだ。

 衝撃だった。
 真田は挿入だけで比呂士をイかせたことはなかった。
 それもそのはず。矮小な性器では柳生のいいところには当たっていないのだから。
 達した二人は体勢を正常位に変えて愛しむように唇を吸い、抱き合っている。
 妻と弟の裏切り…
 真田は止めに入ることすらできなかった。
 そればかりか、恥ずかしくも二人の行為に欲情し一人で達してしまった。
 浴衣の上から握りこむと、下着の中は熱く濡れている。
 惨めな身体に虚しさと悲しみが込み上げた。
 セックスに満足していない妻が、弟と不倫していたという事実。
 そして、まるで獣のように喘ぎまくっていた妻。
 あんな積極的な痴態を見たことがなかった。

 真田はその場にへたり込む。
 現実を受け入れるのに必死だった。
 そんな間にも、襖の向こうの二人はセックス後の啄ばみを繰り返しながら、再び腰を動かし始めた。
 ぬぷっぐぷっと音が始まる。
 「ふっ、ンっ、ンっ」
 「…中、すげェ…」
 「ンっ、くっ、ふっ…」
 その声に顔を上げると、仁王と比呂士は深く口付けながら腰だけを抽挿している。
 それに比呂士の身体を簡単にビクつき、仁王の腰に両足を巻き付けて動きに合わせて自分から揺れていた。
 それは二人の共同作業だ。
 第2ラウンドに入った二人の交接に食い入りながら、真田は我慢しきれなくなって浴衣の中に手を突っ込んだ。
 そして弟よりも何倍も小さなペニスを握りこみ扱き始める。
 「あン、いやっ、ああっ…イクぅ…っ!」
 濡れた妻の身体を出入りする不埒な弟の性器を見詰め、悔しさに唇を噛み締めながら自らを絶頂へと導いたのだった。




 幸せだと思っていたの毎日は全てが偽りだった。
 けれど、真田家の長男として家庭に不和を起こすわけにいかない。
 裏切った二人を問い詰めることもできず、抜け殻のように現実に戻るしかないのだ。
 いい夫・いい兄を演じながら……。







                                                              終劇